2024.09.10 活動報告
令和6年度第3回セミナー~雇用で犯罪や非行からの立ち直りを支える~

奈良保護観察所の馬場統括保護観察官をお招きし、「協力雇用主に対する支援制度について」講義いただきました。
日常のなかで、法を読み解く機会はそうありません。
「更生保護法第1条」の条文の意味を改めて考える
ー善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともにー
ー社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進するー
社会の一員としての自立とは、
大きく分類すると、この3つ
経済的自立:自分の収入で生活を維持できること。これは、仕事を持ち、収入を得て、経済的に他人に依存しないこと
社会的自立:地域社会や職場などで、自分の役割を果たし、他人と協力しながら生活すること。例えば、仕事を通じて社会に貢献したり、地域活動に参加したり・・・
精神的自立:自分の意思で決定を下し、行動する能力。これは、他人の意見に左右されず、自分の価値観や信念に基づいて行動できること
働くことで得られる自立は大きいですよね
★欲しいものを買うにもお金がいる
★職場の人と食事に行くにもお金がいる
★自分のキャリアアップを目指すにもお金が必要
★老後に備える
刑務所に入所する際、68%が無職者です。再犯時の約7割が無職…これが現実
~馬場氏の講義で、印象に残った言葉~
ある犯罪者が、1年間で刑務所内で生活するのはいくらかかるのか?
ーーーー300万から400万が必要ーーーー
犯罪者を一人出すと、警察 検察 関係機関との連携は必須
ーーーーその費用も、むろん税金ーーーー
犯罪者が犯罪せずに、公助を利用して生活したら
ーーーー1人130万から150万ーーーー
犯罪者が更生して、税金を納めるようになった。
ーーーー被害者をつくらないーーーーー
ーーーー国への貢献ーーーーーーーーー
これぞ、まさに更生の最上級である
そして、協力雇用主さんの実際の言葉が胸を打つ
「私たちの時代と一緒じゃない。厳しくても続かない」
「自由にやっていける雰囲気も大切」
そして、出所者にこう語る
「最初から正社員だと続かないかもしれないから、アルバイトから始めては?」
「気に入ったら来てくれた嬉しいよ。」正直に優しく接する雇用主
「やっぱりな、やっていくなら、長く続けることが大事だよ。」
そしてーーー
「その子が会社を辞めてから、もし道端であって嫌な関係になりたくないからね。
いつでも声をかけやすいように、しんどい時は連絡できるようにね…」
みんなが安心して安全に暮らせる日本を次の世代に受け継いでいくには、
今の目線をもつことが、人への優しさになる。
誰ひとり取り残さないための
協力雇用主さんの優しさが、
ひとりの人生の一歩を支える話でした…(YU)